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【定期点検は義務化?】太陽光発電のメンテナンス内容や費用を徹底解説

太陽光が当たるだけで発電してくれる太陽光発電ですが、メンテナンスが必要なことはあまり知られていません。

では「なぜメンテナンスが必要なのか」、「どんなメンテナンスを行えば良いのか」気になりませんか?

✅本記事の内容

・太陽光発電のメンテナンスが必要な理由

・太陽光発電のメンテナンスを怠るとどうなるのか?

・太陽光発電メンテナンスの具体的な内容

・太陽光発電メンテナンスの適切な実施頻度

・太陽光発電メンテナンスの相場費用と業者の選び方

・太陽光発電システムの寿命がきた場合は?

✅本記事の信頼性

・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)

・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(3年以上)

・本業で蓄電池も30台/月を販売継続

本記事では、太陽光発電のメンテナンスについて詳しく解説します。

メンテナンスの内容や頻度、費用などが分かるようになるため、正しいメンテナンスを行えるようになります。

正しいメンテナンスを行えば、太陽光発電が長期間発電してくれるため、太陽光発電の恩恵を長く得ることができます。

太陽光発電のメンテナンスが必要な理由

太陽光発電のメンテナンスが必要な理由

太陽光発電は設置後も定期的なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンスが必要な理由は、3つあります。

✅メンテナンスが必要な3つの理由

・電量低下や故障を防ぐため

・定期点検の義務が法律で決められているため

・事故を起こさないため

ひとつずつ具体的に見ていきましょう。

発電量低下や故障を防ぐため

太陽光発電は太陽の光を電気に変換するシステムのため、屋外に設置します。

そのため砂埃・花粉・鳥の糞などの汚れが付着しやすく、汚れが太陽光を遮ってしまうと発電量が低下してしまいます。

汚れをそのままにしておくと発電効率が年間で1〜2%低下してしまうため、清掃などのメンテナンスが必要です。

発電量低下や故障を防ぐため

また、メンテナンスを行うことで太陽光パネルやパワーコンディショナーの故障を早期発見できるというメリットがあります。

機器に不具合があると発電量の低下に繋がるため、修理を行ってもらうことが大切です。

太陽光パネルの寿命は30〜40年、パワーコンディショナーは15〜20年と言われていますが、適切なメンテナンスを行うことでそれ以上に使用することが可能になります。

太陽光発電の恩恵を長期間、最も発電効率の良い状態で受けるためには、適切なメンテナンスは欠かせません。

定期点検の義務が法律で決められているため

太陽光発電の定期点検は、法律で義務付けられています。

2017年4月1日に施行されたFIT法(固定価格買取制度)の改正により、住宅用を含めた出力10kW未満の太陽光発電システムにも、メンテナンス(保守点検)が法律で義務付けられました。

これまでは、設置時に安全基準を満たしていれば、その後の点検は任意とされていました。

しかし法改正以降は、発電所の所有者が発電設備を適切に維持・管理することが、FIT認定を受けるための必須条件となったのです。

メンテナンスを怠り、設備の不備が改善されない場合、FIT認定が取り消され、固定価格で売電ができなくなる可能性もあります。

これは、太陽光発電システムを長期間にわたって安全に、そして安定して運用していくための重要なルールです。

事故を起こさないため

太陽光発電のメンテナンスを怠ると、事故に繋がる恐れがあります。

太陽光パネルを固定している金具が経年劣化で緩んでしまうことがありますが、それを放置していると台風や強風時に太陽パネルが飛散してしまう事故に繋がります。

近隣住宅や人に危害を与えてしまう可能性があるため、ボルトを締めなおすなどの対応を行い、しっかりと固定するようにしましょう。

また、ケーブル類に傷がついていないかも重要な点検ポイントです。

ケーブル類に劣化や損傷があると、発火する危険性があります。

大きな火災を起こさないために、ケーブルの損傷を見つけたら交換してもらうようにしましょう。

太陽光発電のメンテナンスを怠るとどうなるのか?

太陽光発電のメンテナンスを怠るとどうなるのか?

太陽光発電のメンテナンスを怠ると、どのようなリスクがあるのでしょうか。

✅メンテナンス不良による3つのリスク

・経済的リスク

・安全面のリスク

・近隣トラブルのリスク

それぞれのリスクについて、詳しく解説します。

経済的リスク

メンテナンスを怠ると、さまざまな面で経済的リスクを負います。

まず、発電量の低下に気づけないため、売電収入が軽減してしまいます。

年間の売電収入に数%〜十数%の差が生じるケースもあるため、経済的に大きな損失です。

次に、メンテナンスを怠るということは機器の故障を放置するということになるため、修理費用が大幅に増加する可能性があります。

また、メンテナンスを怠ることは、FIT認定が取り消される可能性も出てきます。

経済的リスク

太陽光発電システムのメンテナンスが法律で義務付けられるようになったため、この義務を怠ると、国から指導や助言を受け、場合によっては改善命令が出されます。

それでも対応しない場合は、最終的にFIT認定が取り消される可能性があり、そうなると発電した電気を固定価格で売ることができなくなります。

安全面のリスク

メンテナンスを怠ると、安全面に対してもリスクがあります。

太陽光パネルに付いた汚れが原因で影ができると、その部分に熱が集中する「ホットスポット現象」が起こることがあります。

これは、発電できない部分に電気が集中することで、パネルが異常に熱を帯び、焦げ付くような状態になる現象です。

この現象はパネルの故障を引き起こすだけでなく、最悪の場合、発火する危険性もあります。

火災の消火には感電するリスクも伴って大変危険です。

さらに、太陽光パネルを固定している金具は長年の使用によって少しずつ劣化し、緩んだり金具の周辺から錆びついてくることがあります。

この状態を放置しておくと、台風や強風の際にパネルが飛んでしまうといった重大な事故に繋がります。

近隣トラブルのリスク

さきほど太陽光パネルの飛散リスクについてお伝えしましたが、飛散した太陽光パネルはご自身だけでなく、近隣の建物や人にも危害を与えてしまう恐れがあります。

賠償責任を負うほどの被害が生じる場合もあります。

また、野立ての太陽光発電の場合は雑草の除去もメンテナンスの一部になりますが、放置することで敷地内の雑草が生い茂り、景観を損ねることになってしまいます。

伸びた雑草の影がパネルにかかり発電量の低下にも繋がるため、除草作業はしっかり行うようにしましょう。

太陽光発電メンテナンスの具体的な内容

太陽光発電メンテナンスの具体的な内容

太陽光発電のメンテナンスは、どのようなことを行うのでしょうか。

具体的な4つのメンテナンス

・目視点検

・電気的点検

・清掃・除草作業

・データ分析による性能評価

ひとつずつ条件を詳しく解説します。

目視点検

目視点検は、太陽光パネル・架台・パワーコンディショナー・ケーブルなどの外観や周囲環境を目で確認する点検です。

具体的には下記のような異常がないか確認します。

目視点検

目視点検を行うことで、大きな故障につながる前に異常を発見し、修理費用を最小限に抑えることができます。

電気的点検

電気的点検では、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、I-V特性測定などを行い、発電量の異常がないか、漏電・感電リスクがないかを点検します。

電気的点検

太陽光発電が安全に性能を発揮しているかを確認するために行う重要な点検となります。

清掃・除草作業

メンテナンス時には、清掃や除草作業も行います。

パネルの汚れや伸びきった雑草は、太陽光を遮り発電量の低下に繋がってしまうからです。

太陽光パネルの洗浄は、下記の流れで行います。

清掃・除草作業

なお、界面活性剤、回転ブラシ、スクレーパー、高圧水洗浄装置は使用しないでください。

誤った洗浄方法は、太陽光パネルの表面の損傷、層間剝離、フレームとラミネート間の接着剥離、雪や風による負荷効力の低下などの不具合を引き起こす可能性があります。

万が一、誤った洗浄方法で発電量が落ちた場合は、メーカー保証の適用外となります。

データ分析による性能評価

太陽光発電における最も基本的なメンテナンスは、発電量の継続的なモニタリングです。

発電量のモニタリングでチェックすべきポイントは、以下の通りです。

・基準値との比較:過去のデータや気象条件(日射量、気温)に基づいたシミュレーション値と比較し、発電量が大きく下回っていないかを確認。

・ストリング単位の確認:パネルの接続単位であるストリングごとの発電量を細かくチェックすることで、どの部分に問題が発生しているかを特定。

日々の発電量がわずかでも低下している場合、それは何らかの異常のサインかもしれません。

早期に気づくことが、大きなトラブルを防ぐ第一歩です。

太陽光発電メンテナンスの適切な実施頻度

太陽光発電メンテナンスの適切な実施頻度

太陽光発電にメンテナンスが必要なことはお分かり頂けたかと思いますが、どのくらいの頻度で行えばいいか分からないですよね。

住宅用・産業用別で推奨頻度が異なるため、具体的に解説します。

住宅用太陽光発電(10kW未満)のメンテナンス頻度

2017年の改正FIT法によって、住宅用太陽光発電でもFIT制度を利用する際にはメンテナンスが義務付けられるようになりました。

実施頻度については具体的な基準が設けられていませんが、JPEA(太陽光発電協会)は4年に1回以上のメンテナンスを推奨しています。

そのため、まずは設置から1年後に初期不良や施工上の不具合を発見するためのメンテナンスを行い、その後は4年に1回を目途にメンテナンスを実施するようにしましょう

また、パネルの汚れや破損を目視で確認する日常点検を月1回行うことも推奨されています。

産業用太陽光発電(10kW以上)のメンテナンス頻度

50kW未満のシステムは住宅用と同様、改正FIT法によりメンテナンスが義務付けられているため、4年に1回のメンテナンスが推奨されています。

50kW以上のシステムになると、FIT制度の有無に関わらず、電気事業法に基づき年に2回以上の定期点検が義務付けられています。

パネル・パワーコンディショナは6ヶ月に1回以上、受変電設備は2~6ヶ月に1回点検することが必要です。

また、産業用は野立てのシステムになることが多いため、除草などの清掃も年2~4回行うことが望まれます。

環境別の頻度調整

以下の地域に設置されている太陽光発電は、通常のエリアに設置されているより頻度の高いメンテナンスが推奨されています。

・海岸地域(塩害対策)…特に金属部分に腐食が見られないかなどを確認

・積雪地域(雪害対策)…雪による遮蔽・パネル負荷が大きく、凍結トラブルが多い

・工業地域(粉塵対策)…工場からの粉塵・煙がパネル表面につき、発電効率の低下が懸念

・農村地域(鳥害・獣害対策)…鳥の糞などの他にも落ち葉や農薬の飛散などが太陽光パネルの汚れ・遮蔽につながるリスク

環境別の頻度調整

該当エリアに設置しているシステムはトラブルに繋がる可能性が高くなるため、より定期的なメンテナンスが必要です。

太陽光発電メンテナンスの相場費用と業者の選び方

太陽光発電メンテナンスの費用相場と業者の選び方

太陽光発電のメンテナンスには、どのくらいの費用がかかるのか気になりませんか?

住宅用・産業用のメンテナンス費用を、メンテナンス業者の選び方をあわせて解説します。

住宅用太陽光発電のメンテナンス費用

住宅用のメンテナンス費用の相場は、定期点検で1回あたり3〜5万円、パネル清掃で1回あたり3〜5万円とされています。

上記は1回ごとのスポットの費用ですが、年間でメンテナンス契約すると5~8万円/年が相場となります。

メンテナンスを年間契約にすることで、一回ごとのスポット依頼よりも費用を抑えることが可能です。

点検や簡易な修理などをまとめて契約することで割安になり、長期的に見ると大きなコスト削減効果が期待できます。

また、屋根に太陽光パネルを設置している場合、点検や清掃の際に足場を組む費用が別途必要になります。

この足場代は、建物の壁一面あたり10万円程度が相場となるため考慮しておくようにしましょう。

産業用太陽光発電のメンテナンス費用

産業用のメンテナンス費用の相場は、低圧(50kW未満)で年間10〜20万円、高圧(50kW以上)で年間20〜50万円とされています。

O&M契約の内容にはどのような点検・メンテナンス作業が含まれているのか確認し、費用対効果があるのか納得したうえで契約するようにすることが大切です。

メンテナンス業者の選び方

太陽光発電の長期安定運用は、依頼するメンテナンス業者の質にかかっています。

費用だけでなく、技術力と信頼性を確保するために、以下のポイントを確認しましょう。

信頼できる業者が持つべき「必要な資格」

太陽光発電設備のメンテナンスは、電気工事を伴う場合があるため、専門の知識と資格が必須です。

メンテナンス業者の選び方 (1)

契約する前に業者が上記の資格を持っているか確認しましょう。

業者選定時の「見積もり比較のポイント」

複数の業者から見積もりを取る際は、以下の点に特に注意し、作業内容と費用が明確であることを確認しましょう。

メンテナンス業者の選び方

契約前に確認すべき「重要事項」

契約内容と業者の信頼性を最終チェックするために、以下の公的な登録や保険加入状況を確認しましょう。

① 電気工事業の登録番号の確認

電気工事を伴うメンテナンスを行う業者は、「電気工事業の登録」が法律で義務付けられています。

 見積書やHPに登録番号が記載されているかを確認しましょう。

無登録業者との契約は、違法な工事やトラブルの原因になる可能性があります。

② 賠償責任保険の加入確認

点検・工事中のミスや、設置後の設備不良が原因で第三者に損害を与えた場合、多額の賠償責任を負うことになります。

 業者が「請負業者賠償責任保険」などに加入しているかを確認し、補償限度額が事業規模に対して十分であるかを確認しましょう。

FIT法でも、第三者への損害に備えるための保険加入が努力義務化されています。

太陽光発電システムの寿命がきた場合は?

太陽光発電システムの寿命がきた場合は?

太陽光パネルは25年の出力保証、太陽光発電システムは15年の機器保証をメーカーが出していることが多いですが、実際には太陽光パネルは40年程度、パワコンは20年程度発電を続けている実例もあります。

ただ、メンテナンスをしっかりして長く使い続けたとしても、いつかは寿命がきてしまいます。

では、寿命を迎えた太陽光発電はどうやって処分すればいいのでしょうか?

結論から言うと、太陽光パネルは寿命がきたら、廃棄ではなくリサイクルが必要になります。

太陽光パネルの廃棄量は2040年頃にピークを迎えるといわれており、約17~28万トン/年にのぼると予測されています。

最終処分場のひっ迫が懸念されているため、廃棄ではなくリサイクルをしていかなければいけない状況になっているということです。

2~3年後には太陽光パネルのリサイクル法が施行される予定です。

現時点でリサイクルは義務ではありませんが、太陽光発電は環境に良いものなので、処分する時も廃棄ではなくリサイクルを検討し、環境に配慮するようにしましょう。

リサイクルが必要な場合は、当社アイデンに相談いただければリサイクル業者を紹介させていただきます。

まとめ-太陽光発電のメンテナンス

太陽光発電は定期的にメンテナンスしよう!

本記事では、太陽光発電のメンテナンスについて詳しく解説しました。

太陽光発電は長期的に安定した発電を続けるためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。

FIT制度のメンテナンス義務化をきっかけに、設備を適切に管理することがますます重要になっています。

メンテナンスを怠ると、発電量の低下・故障に気付けない・事故に繋がるなどのさまざまなリスクがありますが、定期的なメンテナンスを行うことで、安全に長期的に発電を続けることができます。

当社アイデンは、これまで関西エリアで20,000件以上のお客様へ太陽光発電の設置をしております。

設置後も安心して発電できるようメンテナンスもしっかり行いますので、太陽光発電を設置したい方はお気軽にお問い合わせください。