電気自動車(EV)の普及とともに注目を集めているのが「V2H(Vehicle to Home)」システムです。
V2Hは、EVに蓄えた電力を家庭で利用できたり、太陽光発電で発電した電気をEVに貯められる機器です。
再生可能エネルギーの有効活用や停電時の非常用電源としても大きく活躍してくれます。
ただ、高額なシステムになるため、「初期費用が高くて手が出せない…」「少しでもお得に設置したい…」と悩む方が多いのが実情です。
✅本記事の内容
・V2H補助金の基礎知識
・V2H補助金:国からの補助金
・V2H補助金:大阪府の補助金
・V2H機器の選び方とおすすめ製品
・V2H補助金の経済効果
・V2H補助金申請をお考えならアイデンにご相談を
✅本記事の信頼性
・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)
・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(3年以上)
・本業で蓄電池も30台/月を販売継続
本記事では、国や大阪府(各自治体)のV2H補助金やおすすめなV2H機器、V2Hの経済効果をお伝えします。
補助金を使ってV2Hを設置すれば、電気代の節約や災害時の停電対策だけでなく、快適な生活が送れるようになります。
V2H補助金の基礎知識

まずはV2Hの補助金制度について、仕組みと背景を解説します。
補助金制度の仕組み
V2Hの補助金制度として、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)があります。
CEV補助金は国(環境省・経済産業省など)と一般社団法人次世代自動車振興センターが運営する補助金制度です。
電気自動車(EV)・ プラグインハイブリッド車(PHEV)・ 水素燃料電池車(FCV)などの車両、V2Hなどの充電設備の購入費用や工事費用に対して補助金が出ます。
補助金が出ている背景
CEV補助金の目的は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO₂)の排出を削減させることです。
EVやFCVは走行時に二酸化炭素を排出しないため、普及が進めば温室効果ガスの削減につながります。
また、EVとV2Hを組み合わせると、太陽光発電で作った電力を自宅や車で効率的に利用できるため、再エネの活用率が高まります。
さらに自然災害などで停電が発生しても、車に蓄えた電気を非常用電源として活用できるため、災害対策にもなります。
補助金でEVやV2Hの普及を促進することは、環境貢献や災害対策、再生可能エネルギーの有効活用に繋がるのです。
V2H補助金:国からの補助金

次に、国から出る補助金についての詳細を解説します。
・予算概要
・条件
・申請期間、申請の流れ
・補助金申請時の注意点
詳細は一般社団法人次世代自動車振興センターから確認してみてください。
それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
予算概要
2025年度のV2Hの補助金の予算額は、個人宅・マンション向けで40億円です。
受けられる補助金は、機器代1/2(上限50万円)と工事費用15万円となります。
合計で最大65万円の補助金が受けられるということです。
単純計算だと、6,153世帯分になります。(40億円÷65万円)
予算額を達成すると補助金がもらえなくなってしまうため、V2Hの設置を検討している方は早めに行動するようにしましょう。
条件
補助金を受けるための主な条件を見ていきましょう。
EV等の保有
V2Hの補助金を受けるには、EVなどのクリーンエネルギー自動車を保有していることが基本条件です。
ただし、申請時に車両をまだ保有していなくても、発注が済んでいれば実績報告時までに車検証を提出することで対象になります。
設置場所に関する権利
申請者は、V2H充放電設備の「設置場所」並びに「給電対象施設」の使用権を有する必要があります。
災害時に行政への協力
V2Hの補助金制度は、災害時のレジリエンス向上が目的です。
そのため、国や地方公共団体から要請があれば設置情報の提供や、災害時の給電協力に応じる必要があります。
未使用品であること
対象となるV2Hは新品であることが条件です。
中古品は、補助対象外となっております。
保有義務
原則として、設置したV2Hを5年間は許可なく処分・転売できないという保有義務が課されています。
守られない場合は、補助金を返還しなければなりません。
申請期間・申請の流れ
補助金の申請期間は、2025年7月25日(金)~2025年9月30日(火)17時となっております。
申請は下記の図のような流れで行います。

実績報告は2026年1月30日(金)までに行う必要があります。
期限が過ぎてしまうと補助金が受けられなくなってしまうため、注意しましょう。
申請自体は販売店が代理で行ってくれるため、ご安心ください。
補助金申請時の注意点
補助金には申請期間が設けられているため、期限を過ぎてしまうと申請ができません。
期間内に申請したとしても、予算額に達成すると受付終了となるため、補助金を活用してV2Hの設置を検討している方は、早めに行動するようにしましょう。
また、補助金の申請はV2Hの発注・設置前に行わなければなりません。
発注や工事を行う前に「補助金交付決定」を受けなければ、補助対象にならないため注意が必要です。
そして、自治体からV2Hの補助金が出ていれば、併用ができるかもしれません。
併用できればさらに初期費用を抑えることができるため、お住まいの自治体に確認しましょう。
V2H補助金:大阪府の補助金

先ほど自治体から補助金が出ていれば併用できる可能性があるとお伝えしましたが、大阪府は下記の自治体からV2Hの補助金が出ています。
・大阪市(集合住宅向け)
・堺市(集合住宅向け)
・泉大津市
・枚方市
・高槻市
・河内長野市
それぞれ、概要の紹介します。
大阪市(集合住宅向け)

詳細は大阪市電気自動車用充電設備設置費補助金の申請の手引きから確認してください。
堺市(集合住宅向け)

詳細は堺市スマートハウス化等支援事業から確認してください。
泉大津市

詳細は住宅用ゼロカーボンシティ推進補助金から確認してください。
国の補助金との併用可否は明記されていないため、気になる方は窓口へ問い合わせましょう。
枚方市

詳細は電気自動車・V2H充放電設備の補助金(令和7年度)から確認してください。
高槻市

詳細は令和7年度エコハウス補助金から確認してください。
河内長野市

詳細は河内長野市個人向け再生可能エネルギー導入促進補助金(個人向けの補助)から確認してください。
V2H機器の選び方とおすすめ製品

つぎに、主要メーカーのV2Hについて機能や価格別おすすめ製品、車種別対応状況や補助金をいくらもらえるのか解説します。
主要メーカー別機能比較
まずは、それぞれどんな機能なのか、特徴とあわせて解説します。
ニチコン製トライブリッドT3用 V2H

①太陽光×蓄電池×EV 電力活用を最適化!
太陽光発電×蓄電池×EV(電気自動車)の3つの電力を連携させ、無駄なく活用できるシステムです。
蓄電池やV2Hを個別に設置する場合と比べて、より高い節電効果を発揮します。
業界初となるハイスピード拡張充電機能を搭載しており、最大出力9.9kWの高出力で従来の約3倍のスピード充電が可能です。
これにより、日常はもちろん、停電や災害時にも迅速に電力を確保できます。
②ライフスタイルに合わせて選べる運転モード!
ライフスタイルに合わせて、「売電モード」「グリーンモード」「EVモード」の3つから運転モードを選ぶことができます。
蓄電池とV2Hを併用すれば、EVが外出中は蓄電池に電力をため、帰宅後にはその電力をEVへ移すといった運用が可能です。(エレムーブ機能)
③選べる導入パターンで未来の暮らしに対応!
ライフスタイルに合わせて、「V2Hのみ」「蓄電池のみ」「V2H+蓄電池セット」の3つの導入パターンから選べます。
さらに、設置後に家族が増えたり、電気自動車(EV)の購入などで電力使用量が増えた場合でも、V2Hや蓄電池を後から増設することが可能です。
これにより、将来の生活変化にも柔軟に対応できます。
パナソニック製 ENEPLAT

①ライフスタイルに応じた柔軟な導入が可能!
パナソニックのV2H蓄電システム「eneplat(エネプラット)」は、蓄電容量やV2Hスタンドを自由に組み合わせて構成することができます。
ご家族の人数増加や電気自動車(EV)の導入など、ライフスタイルの変化に合わせて、蓄電池やV2H機器を後から追加・増設することも可能です。
蓄電池の容量は3.5kWhから13.4kWhまで幅広くラインアップされており、住宅規模や使用状況に合ったシステムを選べます。
②EV&蓄電池、ダブルで充放電可能
蓄電池と電気自動車(EV)を同時に充放電できる、業界初のV2H蓄電システムです。
停電時には最大6kWの高出力で放電できるため、複数の家電を同時に稼働させることが可能です。
日常の電力活用はもちろん、非常時にも普段通りに近い生活ができます。
③気象警報連動で非常時も安心!
「気象警報連動機能」を装備しており、災害発生時には電気自動車(EV)や蓄電池を非常用電源として最大限活用できるよう、AiSEG2が自動で最適制御してくれます。
これにより、急な停電や災害時にも安心して電力を確保することができます。
オムロン製 V2X

①業界最小・最軽量で狭い場所にも設置可能!
「V2X用パワーコンディショナ」と「EVユニット」が分離構造で、コンパクト設計のため狭小住宅でもスムーズに設置できます。
さらに、「充電コネクタ」と「EVユニット」も分離可能で、住環境や配線条件に合わせて最適な場所へ配置が可能です。
②ハイブリッドV2Xで電力ロスを大幅カット!
V2Xはハイブリッド型のため、直流で発電した電力をそのまま直流のまま車両に充電ができます。
交流への変換時に発生する変換ロスを削減でき、単機能V2Xと比べ、約10%多く電力を有効活用できる高効率なシステムです。
③他社製太陽光パネルにも対応可能!
既設の太陽光発電システムのメーカーを問わず接続が可能です。
通常、異なるメーカー同士を組み合わせる場合は互換性の調査が必要ですが、互換性の心配がなく、安心して後付け設置できます。
既存設備を活かしながら、スムーズにV2X環境を構築できます。
シャープ製 Eeeコネクト

①EV&蓄電池に同時充電で電力を最大利用!
太陽光で発電した電力を、EVと蓄電池へ同時に充電できます。
発電した電力を自家消費することで、電気料金や充電コストを削減し、経済的で環境にもやさしい暮らしを実現します。
②運転モードを選んで暮らしにフィット!
運転モードは「経済性モード」と「クリーンモード」から選択できます。
クリーンモードでは、車両と蓄電池の放電・充電の優先順位を自由に設定できるため、EVの利用スタイルや生活パターンに合わせた細かな制御が可能です。
③気象警報と自動連動で災害に備える!
気象状況に応じて自動制御を行い、気象警報が発令されるとEVへ強制的に充電を開始します。
停電時に備えて電力を最大限まで蓄え、充分に非常用電源を確保してくれます。
ダイヤゼブラ電機製 EIBS V

①蓄電池は高品質で耐久性抜群!
EIBS Vの蓄電池ユニットは、安全性に優れたチタン酸リチウムイオン電池を採用しています。
約20,000サイクルというの長寿命で、業界最長クラスの耐久性を誇ります。
②薄型・軽量設計で、限られたスペースにも設置可能!
ダイヤゼブラ EIBS VのV2Hスタンドは、厚み約20cmとコンパクトな設計となっております。
設置スペースに困っている方でも、設置ができるかもしれません。
③厳しい条件下でも安心運転!
-20℃でも安定稼働するため、東北・北陸などの寒冷地への設置にも適しています。
さらに、30Vの低電圧からパワコンが起動するため、屋根が小さく太陽光パネルの設置容量が少ない場合にもおすすめです。
価格帯別おすすめ製品
おすすめのV2Hは、ニチコン製のV2Hです。
理由は、以下3点あります。
- 価格が安い
- V2H本体が小さい
- 対応車種が広い
ニチコンは業界で最も古くからV2Hの開発に関わっていたメーカーになります。
まだEV車が普及する前から、多くの自動車メーカーとのV2Hの技術検証や販売をしてきました。
2025年11月頃に、最新モデルのV2H(ニチコンT5,T6)が販売開始します。
ニチコンT3のV2Hはサイズが大きいことで設置スペースがない等のデメリットがありましたが、最新機種ではサイズもコンパクトになっています。
車種別対応状況
次に、主要メーカーのV2Hがどの車種に対応しているのか、見ていきましょう。
トヨタ

マツダ・ホンダ

三菱

日産

ベンツ

BYD

SUBARU・Hyundai・MINI

ご自宅の電気自動車の車種やこれから購入する電気自動車にV2Hが対応しているのか、参考にしてください。
補助金一覧
主要メーカーのV2Hを購入する場合、補助金はいくら受けることができるのでしょうか。

販売価格は販売店によって異なりますが、V2Hはどのメーカーでも100万円以上するシステムのため、設備費は上限の50万円の補助金を受けることができます。
工事費15万円と合わせると、65万円の補助金を受けることができます。
他のメーカーの補助金額を知りたい方は、型式ごとの補助金交付額から確認してみてください。
V2H補助金の経済効果

補助金を活用してニチコントライブリッドV2Hを購入する場合、経済効果はどのくらいあるのでしょうか?
まず、経済効果にどのくらい違いがあるのかガソリン車・EV車・EV車(太陽光発電で充電)の3パターンで比較してみましょう。
【条件】
・ガソリン代:174円/L(大阪府平均)
・ガソリン車燃費:1L=15km
・電気代:31円/kWh(大阪府平均)
・EV車:1kWh=6km

上記の通り、ガソリン車から電気自動車に乗り換えると139,200円-62,000円=77,200円の経済効果があるということが分かります。
さらに太陽光発電システムを設置していれば、電力会社から電気を買わずに済むためさらに62,000円節約ができます。
つぎに、補助金を活用してニチコントライブリッドV2Hを購入する場合、どれくらいで初期費用を回収できるのかシミュレーションします。
【条件】
・ニチコントライブリッド用V2H:購入価格130万円
・工事費用:30万円
・補助金:65万円(設備費50万円+工事費15万円)

補助金を活用すると、5~8年早く初期費用を回収できるということになります。
今回はあくまでV2Hのみ購入で試算しているため電気自動車・太陽光発電システムは考慮しておりません。
ただ、ガソリン代も電気代も今後はさらに値上げ傾向になるので、補助金を活用してV2Hを設置、さらに太陽光発電と連携すれば今後の節約対策になることは間違いありません。
V2H補助金申請をお考えならアイデンにご相談を

本記事では、V2Hの補助金について詳しく解説しました。
V2Hは、電気自動車の蓄電機能を家庭で活用できるシステムで、災害対策や再生可能エネルギーの有効活用、そして電気代の節約にもつながります。
ただ、導入費用の高さがデメリットとなるのも事実です。
しかし、国や自治体が実施する補助金制度をうまく活用できれば初期費用の負担を大きく軽減でき、環境にも家計にも優しい暮らしを実現できます。
補助金を使ってV2Hを設置したいという方は、当社アイデンまでお問い合わせください。
補助金申請からV2Hの設置、アフターフォローまでお客様のサポートをしっかり行います。