電気代の節約や災害時の停電対策のために、太陽光発電システムの設置を検討する方が増えています。
ただ、「反射光で近隣トラブルになることもあると聞いたけど大丈夫なの?」と心配になっていませんか?
✅本記事の内容
・太陽光発電の反射光とは?
・太陽光発電設置による反射光問題の5つの主な原因
・太陽光発電システムが引き起こす反射光のトラブルとその実例
・太陽光発電の反射光トラブルを防ぐためにできる5つのこと
・太陽光発電による反射光は事前確認が大切!
✅本記事の信頼性
・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)
・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(3年以上)
・本業で蓄電池も30台/月を販売継続
本記事では、太陽光発電の反射光問題について詳しく解説します。
反射光の5つの原因やトラブルを防ぐための5つのポイントが分かるため、安心して太陽光発電を設置でき、快適な暮らしができるようになります。
太陽光発電の反射光とは?

なぜ反射光が発生するのか
太陽光発電は太陽の光を利用して、温室効果ガスを排出せずクリーンな電気を生み出してくれるシステムです。
しかし吸収しきれなかった光が反射することで、近隣住民に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
反射光による被害を「光害」とも言いますが、反射光が窓から差し込んでしまうと、太陽の光を直接見たような眩しさがあります。
反射光による被害は、主に太陽光パネルを設置する角度・方位・近隣建物との位置関係が原因となることが多いです。
事前検討を行い、近隣に迷惑がかからないように設置しなければいけません。
太陽光発電設置による反射光問題の5つの主な原因

では、太陽光発電の反射光問題は何が原因で起こってしまうのでしょうか。
- パネルを保護する強化ガラス等の素材
- パネルの設置方位と角度
- 周辺環境との関係
- 季節と時間帯の影響
- パネルの表面処理
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.パネルを保護する強化ガラス等の素材
1つ目の原因は、パネルを保護する強化ガラス等の素材です。
太陽光パネルは太陽の光を吸収する「太陽電池セル」を並べ、その太陽電池セルの表面を強化ガラスで覆うような構造です。
窓ガラスでも太陽光の反射は発生しますが、太陽電池の強化ガラスも同様に反射光が発生してしまいます。
2.パネルの設置方位と角度
2つ目の原因は、パネルの設置方位と角度です。
反射光でトラブルとなりやすいのが、太陽光パネルを北面に設置してしまうことです。
太陽光の反射光も「反射の法則」によって入射角と同じ角度で反射します。
そのため、南面に設置された太陽光パネルは入射角が高いため、反射光は空に向かって反射しますが、反対に北面に設置すると、太陽光は低い入射角で差し込むため地上に向かって反射してしまいます。

また、そもそも北面への設置は、南面に比べて発電量が少ないです。
南面の設置を100%とすると、北面設置は60%程度しか発電しません。
トラブルを避けるためにも、発電効率のよい南面(北面以外)に設置するのがベストです。
また、太陽光パネルを設置する角度にも注意が必要です。
太陽光パネルを急な角度で設置してしまったり、屋根自体が急な角度だと入射角が低くなるため、近隣の家に反射光が差し込む可能性が高くなります。
太陽光パネルを設置する前に、設置方位や角度には十分注意するようにしましょう。
3.周辺環境との関係
3つ目の原因は、周辺環境との関係です。
太陽光が反射する方向に近隣住宅がある場合、十分に配慮する必要があります。
特に自宅より高い位置に建物があると、反射光が差し込みやすいです。

北面以外の西面や東面に太陽光パネルを設置したとしても、近隣建物が自分の家よりも高い場合は反射光によるクレームが発生するケースがあります。
隣の建物の距離が近く、自分の家よりも高い建物がある場合は要注意です。
4.季節と時間帯の影響
4つ目の原因は、季節と時間帯の影響です。
太陽は季節や時間帯によって位置が変わるため、反射光にも影響が出ます。
そのため反射光の影響をシミュレーションする際は、1年で最も太陽高度が低く南側の軌道となる冬至と、太陽高度が最も高く北側の軌道となる夏至の場合で考慮する必要があります。
また、朝方と夕方は太陽が低い位置にあるため、入射角が低くなり、反射光も地上に向かうためトラブルになりやすいです。
5.パネルの表面処理
5つ目の原因は、パネルの表面処理です。
太陽光パネルには、表面が鏡面仕上げや高光沢の素材でできているものがあります。
こういった表面でできた太陽光パネルは光を反射しやすいため、反射光問題に繋がりやすいです。
太陽光発電システムが引き起こす反射光のトラブルとその実例

では、太陽光発電システムの反射光はどういったトラブルを引き起こすのでしょうか。
1.近隣住民とのトラブル事例
太陽光パネルに反射した光は、近隣の住民に影響を及ぼしトラブルに繋がる恐れがあります。
反射光が窓から差し込み「眩しい」や、部屋の温度が上がり「暑い」などのクレームを言われてしまうかもしれません。
近隣の住民に迷惑をかけないためにも、太陽光パネルを設置する際には反射光の影響を考えるようにしましょう。
次章で詳しく解説しますが、トラブルになると最悪の場合、裁判沙汰となり太陽光パネルを撤去を求められる可能性があります。
2.裁判になったケースもある?
太陽光パネルの反射光のトラブルが原因となり、裁判になったケースがあります。
過去に反射光でトラブルになっているのは、北面に太陽光パネルを設置している、もしくは西面や東面で隣の建物が近く、隣の建物の方が高い建物の時です。
裁判の争点は、下記2点です。
・反射光が受忍限度を超えるかどうか
・販売会社が損害を予測できたか
最終的には、太陽光パネルの撤去をするか反射光の原因となる太陽光パネルの移設、もしくは損害賠償や示談金を払っておわるケースが多いです。
太陽光発電の反射光トラブルを防ぐためにできる5つのこと

つぎに、太陽光発電の反射光トラブルを防ぐためにできる5つのことについて解説します。
- 正しい設置方位と角度の選択
- 反射光シミュレーションの実施
- 反射しづらいパネルを選ぶ
- 近隣住民との事前相談
- 専門業者の選定
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.正しい設置方位と角度の選択
反射光で最もトラブルになりやすいのが、北面に太陽光パネルを設置してしまうことです。
南面はパネルに太陽光が当たると反射光は空に向かいますが、北面は低い角度で反射するため光は真横や低い角度で反射します。
そのため、周辺に住宅がある場合は反射光が当たってしまい、トラブルになりやすいのです。
北面だけでなく、西面や東面でも隣の家の建物の方が高く、距離が近い場合は反射光の影響が出てしまいます。

また、太陽光パネルの設置角度によっても反射光の影響は変わってきます。
太陽光パネルの設置角度が急になるほど、反射する角度も高くなるため反射光トラブルが発生しやすいです。
絵のような屋根勾配を無視して太陽光パネルの角度を変えて設置することはコストの観点からも非現実的ではありますが、屋根勾配がきつい屋根に太陽光パネルを設置するときは注意が必要になります。
2.反射光シミュレーションの実施
様々なメーカーによって、反射光シミュレーションが提供されています。
設置前に確認できれば、周辺への反射光の影響を確認することができるため、トラブルを防ぐことができます。
1月~12月の各時間帯ごとで反射光がどこに飛んでいくのかのシミュレーションが出せます。
太陽光パネルの反射光シミュレーションは無料のため、少しでも気になる方は当社へ依頼をいただければと思います。
3.反射しづらいパネルを選ぶ
防眩仕様パネルを選ぶことで、反射光トラブルを防ぐことができます。
最近は強化ガラスをギザギザ状に特殊加工をして、反射光を一定方向ではなく乱反射させる防眩仕様の太陽光パネルが販売開始されています。
東京都で太陽光パネルの設置が義務化されましたが、狭小屋根が多く北面設置に設置しないといけないケースも多いです。
そのため、2025年から各太陽電池メーカーが防眩仕様の太陽電池を販売し始めています。
防眩仕様の太陽光パネルを選ぶことで反射光のトラブルを防ぐことができるとともに、北面に設置することで太陽電池容量を増やすこともできます。
4.近隣住民との事前相談
太陽光パネルを設置する際に事前に近隣住民に話をしておくことで、設置した後のトラブル発生率を軽減することができます。
先ほど、お伝えした反射光シミュレーションを近隣住民にも共有して、反射光の影響を理解いただくことが重要です。
事前に話しておくことで、反射光のトラブルだけでなく施工当日の騒音トラブルなども防げます。
5.専門業者の選定
太陽光パネルの設置に経験豊富な業者を選ぶことで、反射光のトラブルを考慮し設置してもらうことができます。
通常、太陽光パネルを設置する前には現地調査を行い、屋根材・強度・寸法・住宅環境を確認するため、その際に反射光が近隣住宅に影響しないかも調査してもらえます。

施工店によっては反射光シミュレーションを行い、詳しく確認してくれます。
太陽光発電の知識がない業者に依頼してしまうと、反射光だけでなく他のトラブルに繋がってしまうこともあるため、業者選びは慎重に行うようにしましょう。
太陽光発電による反射光は事前確認が大切!

本記事では、太陽光発電の反射光について詳しく解説しました。
改めて、反射光の原因とトラブルを防ぐためにできること5つをそれぞれを確認しておきましょう。
太陽光発電設置による反射光問題の5つの主な原因
- パネルを保護する強化ガラス等の素材
- パネルの設置方位と角度
- 周辺環境との関係
- 季節と時間帯の影響
- パネルの表面処理
太陽光発電の反射光トラブルを防ぐためにできる5つのこと
- 正しい設置方位と角度の選択
- 反射光シミュレーションの実施
- 反射しづらいパネルを選ぶ
- 近隣住民との事前相談
- 専門業者の選定
太陽光発電の反射光トラブルは、設置する方位と角度が重要です。
特に北面への設置はトラブルに繋がりやすいため、注意する必要があります。
また、太陽電池メーカーが無料で反射光シミュレーションをしてくれるので、トラブルの心配がある方は事前に依頼してみるようにしましょう。
当社アイデンは、これまで関西エリアで20,000件以上の太陽光発電を設置しており、設置前には十分に現地調査を行っております。
太陽光パネルを設置したいけど、反射光トラブルが心配という方はお気軽にご相談ください。
経験豊富なスタッフが反射光の影響も考慮して提案をするため、トラブルなく太陽光パネルが設置できて、設置後は電気代が節約できたり、災害に備えることができるようになります。