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【徹底解説】家庭用蓄電池の基礎、4つのメリットと注意点がわかる

年々上がる電気代の負担や災害対策に備えるため、家庭用蓄電池を購入される方が増えております。

そもそも蓄電池とは何か?詳しく知らない方も多いのではないのでしょうか。

✅本記事の内容

・家庭用の蓄電池とは?

・蓄電池の仕組みとは?

・蓄電池の種類

・家庭用蓄電池のタイプ

・家庭用蓄電池の4つのメリット

・家庭用蓄電池を選ぶときの4つの注意点

・家庭用蓄電池の設置費用の目安は?

✅本記事の信頼性

・現役の某太陽電池メーカーの営業マン「スポンジ」が監修(営業キャリア10年以上)

・営業実績は、住宅用太陽光発電を200棟/月を販売継続(3年以上)

・本業で蓄電池も30台/月を販売継続

本記事では家庭用蓄電池の仕組み・メリット・選ぶときの注意点・費用についてわかりやすく解説します。

家庭用蓄電池の基礎について理解できるため、蓄電池の購入に役立ちます。

家庭用蓄電池を導入すれば、電気代の節約や災害時のバックアップ電源として備えることが可能です。

家庭用の蓄電池とは?

まず、蓄電池とは何なのかを見ていきます。

蓄電池とは電気を貯めることができる装置で、貯めておいた電気を必要時に使うことができます。

電池には乾電池など使い切ったら再び使用することができない「一次電池」と、繰り返し充電することのできる「二次電池」に分類されますが、蓄電池は「二次電池」に属します。

1〜16kWhの電気が貯められるものを家庭用蓄電池と呼び、それ以上の容量のものは産業用蓄電池と呼びます。

下記のグラフは、日本国内における蓄電池の販売実績を表しております。

日本電機工業会のHPより抜粋

まだまだ補助金を活用しながらの導入が多いですが、着実に導入件数は伸びているのが実情です。

蓄電池を導入すれば、電気代の節約や災害時のバックアップ電源として備えることができます。

さらに、太陽光発電システムと組み合わせは相性がよく、昼に発電した電気を貯めて夜に使うことで電気の自給自足が可能です。

蓄電池の仕組みとは?

つぎに、蓄電池の仕組みについて見ていきましょう。

1.電気を蓄えられる理由

蓄電池は、基本的には電解液・プラス極・マイナス極によって構成されています。

蓄電池の種類によって、これらの素材が変わっていきます。

化学反応が起こることでマイナス極とプラス極の間で電子が移動し、電流を生み出し電気を蓄えるという仕組みです。

2.充電・放電

蓄電池は充電と放電を繰り返し、電気を貯めたり使ったりするシステムです。

プラス極にはイオンが溶けにくい金属、マイナス極にはイオンが溶けやすい金属が使われています。

マイナス極にイオンが溶け出すと電子が作られプラス極へ移動していきます。

この時の電子の流れが放電です。

反対に電流を流しマイナス極へ電子を送り込むと、マイナス極にあったイオンがマイナス極に移動していきます。

この時の電子の流れが充電です。

電子がプラス極とマイナス極を行き来することで、蓄電池は充電と放電を繰り返しています。

蓄電池の種類

つぎに、蓄電池の種類について見ていきましょう。

蓄電池の種類は、大きく分けると鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・NAS電池の4種類です。

それぞれのメリット・デメリット・どのような用途で使われているかは、上記の一覧表を確認してください。

家庭用蓄電池で多く採用されているのは、リチウムイオン蓄電池です。

それでは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1.鉛蓄電池

鉛蓄電池は、電解液に希硫酸・プラス極に二酸化鉛・マイナス極に鉛を使用した蓄電池です。

安価な鉛が使われているため、比較的低コストで購入することができ、過充電に強いことがメリットとなります。

しかし、エネルギー密度が低いことにより、サイズは大きく重量も重いため、設置場所はよく検討する必要があります。

2.ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、電解液に水酸化カリウム・プラス極にオキシ水酸化ニッケル・マイナス極に水素吸蔵合金を使用した電池です。

過充電・過放電に強く、急速充電も可能な高性能な電池です。

ただし、自然放電しやすく使いたいときに充電量が減少していることがあるため、こまめに充電する必要があります。

3.リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、電解液に有機電解液・プラス極にリチウム含有金属酸化物・マイナス極に炭素材料を使用した電池です。

エネルギー密度が高く小型で軽量なため、スマートフォンやパソコンなど幅広い用途で使用されています。

エネルギーロスが少なく寿命が長いこともメリットですが、温度変化や衝撃に弱く、発火や爆発のリスクがあるため、適切に管理することが重要です。

4.NAS電池

NAS電池は、電解液にファインセラミックス・プラス極に硫黄・マイナス極にナトリウムを使用した電池です。

日本ガイシ株式会社が世界で初めて実用化・製造を行っています。

エネルギー密度が高く、鉛電池の3倍のエネルギーを貯めることが可能です。

ただし、動作温度が300度を超え、ナトリウムや硫黄などの危険物が使用されているため、安全性の確保が重要になります。

家庭用蓄電池のタイプ

つぎに、家庭用蓄電池のタイプを見ていきましょう。

家庭用蓄電池は、「単機能型」と「ハイブリッド型」に分類されます。

それぞれの特徴や、どんな方におすすめなのかを解説します。

1.単機能型蓄電池

単機能型蓄電池は、蓄電池単体で稼働するシステムです。

蓄電池専用のパワーコンディショナーを使用するため、太陽光発電システムを設置していない・する予定のない方におすすめです。

太陽光発電システムを設置済みの方も、太陽光発電用のパワコンと蓄電池用のパワコンの2台を設置する必要がありますが、既設の太陽光発電システムの保証を継続できるというメリットがあります。

ただし、太陽光パネル→太陽光発電用パワコン→蓄電池用パワコンと2回の変換が必要になるため、変換の際の電気ロスが多くなってしまいます。

2.ハイブリッド蓄電池

ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電用パワコンと蓄電池用パワコンを一体化させたシステムです。

パワコン1台で太陽光発電システムと蓄電池システムに対応できるため、変換によるロスも少なく効率よく電気を貯めることができます。

これから太陽光発電システムを導入する方で蓄電池も設置したいという方は、ハイブリッド型を選ぶことをおすすめします。

また、パワコンの寿命は10~15年になるため、太陽光発電システムを設置済みの方はパワコンの交換の際にハイブリッド型蓄電池を導入すれば、効率よく設置することができます。

家庭用蓄電池の4つのメリット

つぎに、家庭用蓄電池の4つのメリットを見ていきましょう。

はじめに、4つのメリットを紹介します。

✅4つのメリット

  • 電気代の削減が実現できる
  • 停電時や災害時でも電気が使える
  • 環境に優しい電気が使える
  • 補助金を活用して導入費用を抑えられる

最近は、電気単価の高騰が続いているため昔よりも蓄電池を活用して節電をされる方が増えております。

特に、固定価格買取制度での売電期間が終わる卒FITの方(10年を迎える方)は、売電単価が極端に安くなります(7円~10円/kWh)。

安い単価で売電するくらいなら蓄電池を購入して、電力会社から高い電気を買わない選択をされている方が多いということです。

1.電気代の削減が実現できる

1つ目のメリットは、電気代の削減が実現できる点です。

蓄電池単体で設置の場合、電気代の安い時間帯に充電し、電気代の高い時間帯に貯めた電気を使うことで、電気代を削減することができます。

太陽光発電システムと連携した場合、発電して使わなかった電気を貯めておくと、発電しない夜間や天候の悪い日でも電気を自家消費することができるため、電気代の節約につながります。

今後も電気代の高騰は続くと予想されるので、電力会社から電気を買う量を減らすために蓄電池を導入することは有効です。

2.停電時や災害時でも電気が使える

2つ目のメリットは、停電時や災害時でも電気が使えることです。

日本は地震や台風などの災害が多いため、停電してしまうと電気が使えなくなってしまいますが、蓄電池があれば非常時でも電気を使うことができます。

太陽光発電を設置していれば、太陽光が出ている間は発電し電気を貯めることができるため、夜間や天候の悪い日でも通常通りの生活を送ることができます。

蓄電池は、家全体に電気を供給する「全負荷型」と、決められた部屋や家電のみに電気を供給する「特定負荷型」の2つのタイプがあります。

停電した時にどのような使い方をしたいかを考慮し、選ぶようにしましょう。

3.環境に優しい電気が使える

3つ目のメリットは、環境に優しい電気が使えることです。

太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、電気の自給自足ができるようになります。

火力発電など二酸化炭素を排出する電気を使わずに済むため、環境に配慮した生活ができるということです。

二酸化炭素の大量排出で地球温暖化が進む中、脱炭素やカーボンニュートラルが注目されていますが、太陽光で発電したクリーンな電気を使うことで、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献ができます。

太陽光発電システムと蓄電池を導入すれば、家計にも地球にもやさしい生活が送れるようになります。

4.補助金を活用して導入費用を抑えられる

4つ目のメリットは、補助金を活用して導入費用を抑えられることです。

蓄電池の普及を広めるため、国や自治体からは蓄電池の購入に補助金を出しているので、活用できれば導入費用を抑えることができます。

具体的には、「DR補助金」「各都道府県(自治体)ごとの蓄電池補助金」があります。

いずれも、当社で補助金申請をしてお客様ができるだけ安い金額でお買い求めできるように協力しております。

補助金制度を活用するには、申込期限や条件が決まっているため確認が必要です。

蓄電池に関して少しでも興味がある方は、お気軽に当社までお問合せください。

家庭用蓄電池を選ぶときの4つの注意点

つぎに、家庭用蓄電池の4つの注意点を見ていきましょう。

はじめに、4つの注意点を紹介します。

✅4つの注意点

  • 初期費用を事前に確認しておく
  • 設置場所を確保しておく
  • 使用したい期間と蓄電池の寿命を考慮する
  • 自宅に必要な蓄電容量を確認する

初期費用を抑える工夫をすることはもちろん必要ですが、蓄電池の設置場所や具体的に何kWhの蓄電池が自分に合った蓄電池なのかを理解することが重要です。

1.初期費用を事前に確認しておく

1つ目に、初期費用を事前に確認しておくことです。

家庭用蓄電池導入の初期費用は20万円/kWh~25万円/kWhと高額で、容量が大きくなるほど価格も高くなります。

つまり、5kWhの蓄電池の場合は100万円~125万円はかかるということです。

ただし、補助金制度をうまく活用できれば導入費用を3万円/kWh程度は抑えることが可能です。

設置後には補助金を受けられないケースもあるため、事前に当社までご相談いただければと思います。

2.設置場所を確保しておく

2つ目に、設置場所を確保しておくことです。

蓄電池には屋外用と屋内用がありますが、いずれにしても設置場所の確保が必要になります。

スペースだけでなく、メーカーごとに決められた設置基準を考慮して設置場所を決めなければいけません。

悪質な販売業者の場合は、売りたい蓄電池を強引に提案してくるケースがあります。

設置スペースがあるのかの確認もされずに契約まで持ち込む場合があり、購入予定の蓄電池を設置するスペースがあるのかは事前に販売施工店と確認が必要です。

設置条件を守らないと蓄電池の劣化に繋がる恐れや、メーカーの保証対象外となってしまうため、販売店に相談しベストな設置場所を決めるようにしましょう。

3.使用したい期間と蓄電池の寿命を考慮する

3つ目に、使用したい期間と蓄電池の寿命を考慮することです。

蓄電池の寿命は「使用期間」と「サイクル数」で表します。

「使用期間」は、設置してから何年使い続けられるかを指す指標です。

蓄電池の保証期間は10年から15年で設定されていることが多いため、蓄電池を選ぶときには保証期間を確認し、寿命の目安にすることをオススメします。

「サイクル数」は、蓄電池の電気残量が0%の状態から100%まで充電しすべての電気を使い切ることです。

家庭用蓄電池に使用されているリチウムイオン電池の場合、6,000~12,000サイクルが平均寿命になります。

サイクル数が多いほど寿命が長いということですので、蓄電池をより長く使いたい方は、サイクル数が多いものを選ぶようにしましょう。

4.自宅に必要な蓄電容量を確認する

4つ目に、自宅に必要な蓄電容量を確認することです。

蓄電容量を決める時には、下記を基準に決めることをオススメします。

・1日の消費電力

電気代の明細書には使用量が記載されているため、1日の電気使用量を確認してみましょう。

たとえば月に350kwhの電気を使用するご家庭であれば、1日約12kWh使用しているということになります。

つまり、12kWh前後の蓄電容量を選べば、太陽光発電と蓄電池で電気の自給自足できます。

・太陽光発電を設置している場合、1日の発電量

太陽光発電システムを設置している場合、発電量とのバランスが重要になります。

4kWの太陽光発電システムを設置している場合、1日約12kWh発電します。

✅計算方法

太陽電池容量×1,100倍が年間の発電電力量

つまり、4kWであれば4,400kWhが1年間で発電する電気

4,400kWh÷365日=約12kWhが1日の発電電力量

一般的な自家消費率は30%と言われているため、3kWhが使用する電気です。

よって、余った9kWhを貯めることができる容量がベストな蓄電池といえます。

蓄電池を選ぶ時に蓄電容量は最も重要なポイントになりますが、選定を誤ると費用対効果を得られなくなってしまいます。

どれくらいの蓄電容量が良いのか具体的に相談されたい場合は、当社にお気軽にご相談ください。

家庭用の蓄電池の設置費用の目安は?

最後に、家庭用蓄電池の相場価格を見ていきましょう。

家庭用蓄電池の設置には、蓄電池本体の費用だけでなく設置のための工事費用も必要になります。

容量別のkWhあたりの本体価格・工事費用の相場が三菱総合研究所の調査報告書で記載がありました。

ただ、実際のところは下記記載の蓄電システム価格は蓄電池メーカーが販売店に販売するくらいの金額になっているため、もう少し相場価格が上がっているのが実情です。

三菱総合研究所の調査報告書より抜粋

購入する機種やメーカー、工事を依頼する業者によって変動しますが、10kWhの蓄電池を購入する場合、200万円はかかるということになります。

蓄電池の導入には本体価格だけでなく、設置費用(必要に応じて足場代)を含めたトータル費用で考慮する必要があります。

相場価格と大きくかけ離れた金額で他社から見積を取っている方は、一度当社にご相談いただければ価格協力もできる限り対応するようにいたします。

蓄電池をわかりやすく解説

本記事では、蓄電池の仕組みや、メリット、注意点、費用について詳しく解説しました。

改めて、家庭用蓄電池のメリット・選ぶときの注意点をそれぞれ4つ確認しておきましょう。

✅4つのメリット

  • 電気代の削減が実現できる
  • 停電時や災害時でも電気が使える
  • 環境に優しい電気が使える
  • 補助金を活用して導入費用を抑えられる

✅4つの注意点

  • 初期費用を事前に確認しておく
  • 設置場所を確保しておく
  • 使用したい期間と蓄電池の寿命を考慮する
  • 自宅に必要な蓄電容量を確認する

家庭用蓄電池を導入すれば、環境にやさしい電気を使いながら、電気代の削減や停電時に備えることができます。

太陽光発電システムとあわせて導入すれば、経済効果もさらに高まります。

ただし、4つの注意点を意識して購入しなければ、設置する場所がない、節約効果を感じることができないなど問題も発生してしまいます。

ご自宅にはどんな蓄電池がベストなのか知りたい方は、当社アイデンまでお問い合わせください。

お客様それぞれにあった蓄電池を選定し、快適な生活を送れるようアドバイスします。